以前、周産期でお子さまを亡くされたおかあさんから、こんな言葉を伺いました。
「こんにちは」も言えてないのに「さようなら」は言えない・・・
「おくるみ」は、そんな大切ないのちとの出遇いと別れを支えます。
周産期の突然の死別はつらく悲しいけれど、また、誰にでも起こりうる現実でもあります。お子さまを亡くされたご両親はこの深い悲しみの中にあって、せめてかわいいベビー服を着せて見送りたいと思うものです。しかし、ちいさなお子さまに市販のベビー服は大きすぎ、その現実にかえって悲しみが強くなります。そしてその限られた時間の経験こそが、お子さまとのかけがえのない記憶となります。
わたしたちは、サイズの合ったベビー服を着たかわいいわが子の姿をご両親の心に焼きつけてほしいとの思いから、小さいサイズのベビー服やお帽子「おくるみ」を用意し、産科病棟に無料提供しています。
「おくるみ」はグリサポくわなにご参加の周産期でお子さまを亡くしたおかあさんが、一枚一枚こころをこめて手縫いし、きれいにラッピングして専用ボックスに納めて届けています。病棟では赤ちゃんが亡くなられると、医療スタッフが「おくるみ」を紹介し、ご家族といっしょに選びます。医療スタッフもご家族の悲しみに触れ、こころに苦しみ・葛藤を抱えますが、「おくるみ」はそんなご家族や医療スタッフもやさしく「くるみ」、こころをこめて「おくる」お手伝いをします。「おくるみ」を選び・着せるという体験が、大切な小さな赤ちゃんとの「こんにちは」を、そして「さようなら」を支えるのです。さらに当事者がこころを込めて縫う「おくるみ」は悲しみの中にいるのは「あなただけではないよ」というメッセージとなります。また「おくるみ」の活動では、当事者がベビー服を手縫いしながら、わが子の話を心おきなく話し、心を癒す時間とあたたかな空間にもなっています。
過去の悲嘆から生まれた「おくるみ」のものがたりが、現在、悲しみの中にいるご家族の癒しにつながり、そして彼らの未来の灯火となります。
グリサポくわなでは、このような「おくるみ」の活動を大切に続けています。