といあげ法要

法務

「弔い上げ」ともいわれ、最終の年忌法要のこと
一般には50回忌の法要がこれにあたります。
御往生の後、49年目の祥月命日の法要です。

この日は亡父の50回忌
長男が施主で兄弟・家族一同に会しての賑やかな法要でした。

実はこの法要を迎えるにあたり
施主とこんなやりとりがありました

施主「ごえんさん、といあげはどのようにつとめたらええんや?」
住職「最も大切な法要という意味で金色のローソク使われるところもありますよ」
施主「へぇー、金ローソク?そんなんどこで手にはいるん?」
住職「ご希望ならご用意しますが」
施主「ならお願いします」

ご用意しました金ローソク、碇型のハゼ蝋に金色の彩色が施されています

という流れでこの日の50回忌のお灯明は金ローソク

金仏壇に金ローソク(赤丸)はこんな感じ

亡父の50回忌を子どもが勤める・・・

それは若くして父親を亡くしたということ
通常、50回忌は孫の役目
この日は兄弟一同そろって迎える亡父の50回忌

それは・・・

若くして後ろ盾をなくし苦労して過ごしたそれぞれの50年
夫を亡くした母親の悲しみと苦労をみつめた年月
亡くなった父の年を大きく越え、自らの行く末をみつめる機縁
それぞれの半生を振り返りながら、お御法をいただきます。
そして、それを受け止める孫やひ孫たち

和蝋は風はなくとも時折ほむらがあがります

風もないのお灯明のほむらが立ち上がり
ゆらゆら揺れる光景に
「じいちゃんもみんなに参ってもらえて喜んどるんよ」
みんなでニコニコ笑い合い
ご法味豊かなあたたかな法要でした。

四国遍路の御朱印のお軸、中央には「南無阿弥陀仏」のお名号

床の間には四国遍路の掛け軸
お遍路さんというとお大師さんなのですが
軸の中央には「南無阿弥陀仏」のお名号

苦難多き人生を亡父を縁として
念仏いただいてこられた
施主様ご家族の思いを感じるひとときでした

ごえんさん

ごえんさん

走井山善西寺第十五世住職。生命科学の研究者が尊いご仏縁により僧侶に転身。

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