ごえんさんのグリーフの小箱 その2

グリーフケア

ごえんさんの「グリーフの小箱」その2

グリーフはごえんさんのライフワーク
ここではグリーフにまつわるよしなしごとをそこはかとなく書き留めてまいります。
第2回目は 短編アニメーション映画「つみきのいえ」

それはこんなきっかけ・・・

あるご門徒のおじいちゃん
奥様を亡くされて今はひとり暮らし
息子・娘たちは結婚し、都会で別世帯
年に何度かの行き来という程度
独り身になった寂しさ、不便さを訴えつつも
きちんとした生活を続けています

ある日、お参りに伺うと
お仏壇に見慣れぬワイングラスが
古いこじんまりとしたワイングラス
カットがきれいな良品でした

実物ではありませんが、こんなイメージのグラスでした

住「これどうしたん?」
門「昔、これでよくワイン飲んでたんや」
住「おしゃれやね〜」
門「わしやない、かあちゃんの趣味なん」
住「〇〇さんの趣味なんやね」
門「ごえんさんならわかるやろ?」
住「ようわかる!」
門「茶箪笥の奥にしまってあったのをみつけたんで・・・」
門「これで呑んどる頃は、まだ元気やったんやけどな〜」
と、少し恥ずかしそうに
グラス眺めながらしんみり答えてくれました
きっとこのワイングラス片手に
あれやこれや語り合った日々を思い出してるのかも・・・
もしかするとやっと手に取れるようになったのかもしれません
グリーフはやがてひとつひとつの思い出を宝物に変えてゆきます

そんな場面に出会い「つみきのいえ」という短編アニメーションを思い出しました。

「つみきのいえ」DVD

『つみきのいえ』は、2008年に発表された加藤久仁生監督による日本の短編アニメーション映画。水に沈みゆく街にある積木を積み上げたかのような家で暮らす老人を通して、人生というものを象徴的に描く。アカデミー短編アニメ賞を受賞した初の日本映画。
【あらすじ】
海面が上昇したことで水没しつつある街に一人残り、まるで「積木」を積んだかのような家に暮らしている老人がいた。彼は海面が上昇するたびに、上へ上へと家を建て増しすることで難をしのぎつつも穏やかに暮らしていた。ある日、彼は海の水位が上昇し工事をしていたら工具を海中へと落としてしまう。工具を拾うために彼はダイビングスーツを着込んで海の中へと潜っていくが、その内に彼はかつて共に暮らしていた家族との思い出を回想していく。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

何故このアニメーションを思い出したかというと
このアニメーションのラストシーンにも
ワイングラスが登場するんです
ネタバレをスクショで少しだけ・・・

こころの奥にしまった記憶は
決して消えず人生を支えます
おじいちゃんもきっとこのワイングラス片手に
仏壇の前で思い出を振り返っていたのでしょう
遺された悲しさの渋みは徐々に熟成されて
深い味わいになっていったのかもしれません

実はこのおじいちゃんもうこの世にはみえません
残念ながらどんな味わいかを聞くことはできませんが
でも、きっとお浄土でかあちゃんとたらふくワイン飲んでるだろうな・・・

★「つみきのいえ」予告編はこちら

YouTubeでみられる予告編

 

ごえんさん

ごえんさん

走井山善西寺第十五世住職。生命科学の研究者が尊いご仏縁により僧侶に転身。

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