墓じまい

法務

前坊守(母)の御往生を機に前職を辞し、法務に専念して22年

「四十の手習い」でも、ご法義を護りつつ時代のニーズを反映した寺院活動を心がけてきました。

そんな住職がいただく最も多い相談はといえば・・・

断トツ、「墓じまい」について

善西寺境内墓地

具体的にはこんな感じ・・・

【あるご門徒さんとの会話】

ご門徒さん(門)「ごえんさん。うちの墓どうしたらええ?娘二人とも嫁にやってしもうて、あそこ(の村の墓地)に親戚から預かった墓がひとつ、ここ(善西寺境内墓地)におやじ、おふくろ、かあちゃんのはいっとる墓がひとつ。嫁にやった娘らに迷惑はかけられんで、わしの目の黒いうちになんとかせなあかん」

住職(住)「そら心配やね。どないしたいん?」

門「世間でゆうとる墓じまいをせなあかんかと思うとるんや」

住「墓じまいせなあかんとおもうとるんやね・・・ところで、娘さんらはどうないゆうとんの?」

門「そんなん聞いとらん!」

住「聞いとらんのやね」

門「いらんやろ」

住「でも親戚の墓はともかく、ここの墓は娘さんらにとってもたいせつなかあちゃんのお骨がはいっとる墓やろ。彼女らの意見も大事やと思うけど・・・」

門「(不満げに)そな嫁に出した娘に聞いてどうないするんや」

住「聞くのは大事やと思うんやけど・・・」

門「いらんいらん」

住「そんならわたしから聞いてみてええ?」

門「勝手にしてくれ!」

・・・別の日、娘二人とお会いして

住「(詳細の説明)・・・で、お父さまが墓じまいをしたいとおっしゃってるんですが・・・」

娘A「そうでしたか。おとうちゃん、ごえんさんに相談したんですね。うちらもおとうちゃんの考えは知っています。でも・・・ごえんさん、どうぞ話しだけきいとったってください。うちら姉妹で後のことはちゃんとやっていくつもりで、すでにふたりで相談はしてるんです」

娘B「ごえんさんもご存知のようにおとうちゃん頑固もんなんで、うちらがゆうてもきかんのです・・・」

住「そうでしたか。ではそのつもりでお話伺っていきますね。」

墓じまいの相談・・・それは今の家族関係の映し鏡のようなものなのかもしれません。

駆り立てるのは、年老いて、ひとりでかかえている荷の重さでしょうか。

そして、それを目当てに群がる終活産業、テレビ、新聞、週刊誌・・・メディアによって作り出された「終活ブーム」の影響は甚大です。

共に考えてくれる存在が必要です。

でも、放っておくとどこかにお骨の行き先を見つけてきてしまうかもしれない

ということで、建立しました!
お寺が管理する永代供養墓

永代供養墓「ANNON」を参道から臨む

内部に個別の納骨壇を有する合葬墓です。
10年がかりでした。

ANNON内部(後部入り口から撮影)、すべて御影石造りで両脇に納骨壇、正面に合葬する石室開口部を配置

計画当初、役員さんに相談した時は

「寺が墓無くす手伝いしてどうする!」

と役員さんに怒られました。

でも今ではみなさまの「墓じまい」のセーフティネット

私で15代、430年の歴史を持つ善西寺が管理します。

住職が毎日墓前で勤行し、「うちの寺は墓の心配いらん」と喜ばれています。

「わしが死んだら頼むで」と沢山の生前予約が入っています。

ただ、家族との相談はまだの方が多いようですが・・・。

住職が毎朝勤行を努め、彼岸、盆、年始年末には墓前で法要を勤めます。

お墓の心配出てきたら、まず住職にご相談くださいね。
いっしょに課題解決の伴走支援いたします。

ごえんさん

ごえんさん

走井山善西寺第十五世住職。生命科学の研究者が尊いご仏縁により僧侶に転身。

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